フセヴォロド・エミリエヴィチ・メイエルホリド  (1978-1940)
「海戦」はドイツの戯曲家、ラインハルト・ゲーリングの作で第一次世界大戦のユトランド沖海戦をテーマにした表現主義戯曲。大正13年(1924)6月、築地小劇場の柿落し公演となった。軍艦砲塔内の密室で繰り広げられる水兵たちの生と死のドラマを、ドイツから帰国したばかりの土方与志が演出。日本初の舞台構造を持つ劇場で上演される絶叫と轟音のリアリティ、テンポの早い台詞は人々を驚かせた。当時の劇評は「台詞が聞き取れない」「斬新な演出を評価する」と賛否両論であった。
ビオメハニカ
   
ソ連の演出家メイエルホリドが提唱した俳優術理論。肉体的訓練を基礎とした舞台表現を目ざしたもので、俳優の身体の動作や身振り、また演出家の指示に、俳優の心理―感情が即座に反応するように訓練するシステムである。このためにメイエルホリドは、俳優の身体の敏捷さと相手役に対する身体の反応性を発達させるためのエクササイズとエチュードを考案した。エチュード(「弓矢を射る」「顔へ平手打ち」「短剣で刺す」など)の前後には決まって、ダクティリと呼ばれるエクササイズが行われていた。
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